なぜならば、自称そば打ち名人が多いのでそばぐらい
自分で打てなくては他人のそばを批評する資格などな
い。
そば通は、まずはきそばを味わう。
そこで、間をおいてひとこと講釈をぶつ。
お供の連中は、うんうんといいながら聞き流す。
立ち食いそばもばかにできない。
駅の立ち食いソバや、高速道路の休憩所にもあなどれない
ソバを出すところもある。
そば粉の品質(地元産)と味で勝負するソバ屋はレシピ
が少ない。なんと盛りそばしかメニューにないところさ
えある。それでもそば通は充分納得する。
そば自体はうまくとも、そばつゆで味消しになる店も少な
くない。あぜそれに気づかぬのかとぶつぶつ言う。
そばつゆの作り方は、うなぎのたれと同じく、秘伝のもの
と私は心得る。
そば打ち体験なるものがあっちこっちの公民館活動で行わ
れている。にわかそば通(そば打ちが出来ない人のこと)
は時間が許せば通った方が良い。
そばの打ち方、そば打ち道具の使い方が分かるとまた食べた
時の感慨が違ってくる。
一人前に打てるようになったら、そば道場で修行するのも
また良し。
いわゆるそばを日本そば
と言ったころもあったが、最近ではそばといえば中華そばや支那
そばを連想する人は少ない。
そばと言えば日本そば のことである。
農家のうつソバはうまい。
うまい理由がある。
農家は、米の他に商売外に自家用にソバを植えておく。
そば栽培してそばの実を収穫する。
自宅でそば打ちして家族で食する。
これが一番のぜいたくである。
ココだけの話、お店のソバは100%日本産では決してない。
韓国産だの何産品だのとあって、純日本産では今の値段では
食べられない。
だから純日本産である農家のそばはうまいのである。